「うさぎをもういっぴき買ってほしい」。
「どうしてもう一匹飼いたいの？」。
「だって、さくらちゃんがひとりでかわいそうだから」。
いまの５歳児が３歳だったとき、
１匹のうさぎが不慮の事故に遭い天に召されました。
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そのことを覚えていた彼らは、
５歳になって「うさぎ・インコ隊」となり、
突然思い出したように４月のある日、
そんな要望をもちだしました。

しかしもちろん、そう簡単に子ウサギを
「買う」ことは、できません。
一匹のうさぎの世話さえも、朝の数十分を費やして、
あそび時間を削ってしている現状です。
「２匹の世話は時間もかかってたいへんやで」と
投げ返されたところから、
「うさぎ、もう一匹飼いたいプロジェクト」は
スイッチが入りました。

お世話をする時間を短くしよう。
どうしたらそれができるかな。
うさぎ・インコ隊のメンバーは、毎日試行錯誤を
繰り返しながら時間短縮を目指しました。
そうして１カ月と１週間で、１５分短縮。
「お世話を早くできるようになった」と
再度プレゼンするも、その先の
「だからどうしたいのか」がアピールできず
出直したこともありました。

６月。
「うさぎはどこで買えるの？」
「ペットショップ！」
「いくらするの？
あんまり高いと買えないよ」
「・・・・・」
かくして、うさぎ・インコ隊は、
40分歩いてペットショップへ。

黒とミックスの
２種類の候補を決めると、
どっちを飼うかで意見が分かれ、
じぶんたちで全園児や保護者に
人気投票を実施。
多数決の結果ミックスに決定するも、
負けたほうの友だちはどんな気持ちかなと
またまた問いかけられると、今度は
「黒でもええで」とミックスにこだわっていた
子があっさりと意見を変え・・・。
園全体を巻き込んだ挙げ句、
最後は、うさぎ・インコ隊みんなの合意で、
飼いたいうさぎはミックスに決まりました。

そして、朝から雨の降る7月5日。
足かけ４カ月、ついにうさぎ隊18名は、
新しいうさぎを、雨の降るなか意気揚々と
連れて帰ることとなりました。
（歩いた時間は前回より半分以下で！）

いつでもなんでも望むものが簡単に
手に入ることを知っている彼らが、
ようやく手に入れた一匹の子うさぎ。
「うるさいとびっくりする」
「いっぱいさわったらすぐしんどくなる」
小さくて弱いいのちを慈しみつつ、
はまようかぞくの一員として
これからたいせつにお世話していくことでしょう。