非日常のなかで育つ
上の写真は7月に行った大阪府能勢でのお泊まり保育でのひとコマ。「山の神」から受け取ったメッセージを子どもたちが「解読」して、明日の剣尾山登山に向けて気勢を上げているところです。こうしてはまようちえんのお泊まり保育は、毎年「山の神様」が子どもたちを快く迎え入れてくれ、見守ってくださることによって「物語」が進むのです。
「アバター」以来、3D映画が雨後の竹の子のように次々と上映され、3Dテレビさえも家族の欲しいものリストに入るようになりました。テクノロジーの進化による、さまざまな疑似体験化(非日常体験の日常体験化)は止まることがないかのように見えます。
私たちの町には山も森も小川もないため、園庭に築山をつくり木を植えて、できるだけ自然から遠くない環境を作っています(まったく発展途上ですが)。しかしこれは、非日常体験の日常化のため(自然環境の擬装として)ではなく、かつてあった日常体験(自然物とのあそび体験)の再現化といえるものです。山や森などの自然は、形成されるプロセスに長い歳月をかけて育まれる自然や人の叡智の営みがあり、そう簡単には作れるものではありません。
ここで取りあげた「非日常」と「日常」は、目に見えないものへの感知力の問題を言っています。いくらテレビや写真で山や森を知っていても、実際にそこに身を置いてみないことにはその場を体験したことにはなりません。それはなぜでしょう。私たちは、その場にいることによって、見て、聞いて、触れて、味わって、匂ったことだけではない、説明不可能な「何か」を感じることができるからだと思います。
「物語」を起動させた子どもたちがひとたび森に入ると、見えないものを「見えた」といい、聞こえていない音を聴き取ります。自然のなかで子どもたちの感性のアンテナはビンビンに感度を高めていき、想像力や創造性がじわじわと広がっていく様子が見られます。このまま、この場所で子どもたちが日常をすごすことができたらどれほど素晴らしいだろう、と思わず夢想してしまうくらい、子どもたち誰もがたましいを解きはなっていく様子がありありと見えるのです。そうして、私たちがシナリオを書いた「物語」は、行程の途中から、本当に起きている非日常体験として一人歩きをしだします。
最終日、山の神から「証」が届きました。それを受け取った子どもたちの顔からは、一人ひとり異なるメッセージをもった自分だけの新しい物語が生まれているように見えます。
私たちが子どもと接していて日々危惧していることは、子どもたちの感性や想像力、創造性の鈍化です。物と情報にあふれたいまの世の中で、それを押しとどめて磨き上げるための方法はまだ残されていると信じています。
この夏休み、さまざまな生きたフィールドのなかで、子どもたちが五感を超えた体験を味わい、想像力や創造性が磨かれているよう、山の神様に祈りたいと思います。
※このお泊まり保育の場所「大阪府立総合青少年野外活動センター」が大阪府知事の意向で今年度限りで閉鎖される予定です。なんとかこの施設が存続できる方策はないものでしょうか。
きのっこ(親子ひろば)、OPENDAY(園庭開放)では学生や一般のボランティアを随時募集しています。詳しくは園までお問い合わせください。 |
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今月の予定
日
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曜日
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週数
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行事 |
降園
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1〜31
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日
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-
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なつやすみ
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-
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28
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土
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-
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OPENDAY |
-
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9/1
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水
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15
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2学期始業式 |
11:30
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※ウサギクラスのなつやすみは10〜13です。
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