ベストチームワーク賞が、いいね。

園庭の早咲きの実桜の蕾がようやくふくらみはじめました。
今年の冬は、ほんとうに寒かったですね。
冬の寒さが厳しいほど、迎える春の明るさと暖かさが
大きな幸福感を与えてくれるような気がします。

いよいよ年長児にとって、最後の2週間となりました。
今年の年長児は、春のスタートから「大丈夫か」と心配してきました。その前年もスタートは「おとなしい」と懸念していたのですが、それに輪を掛けて「こうしたい」という意欲が薄く、なんかこう生き生きとしたエネルギーを感じられないとお伝えしてきました。その背景には兄弟関係や親の過保護や過干渉、過許可や過心配があると思い、私たちはことあるごとに粘り強くそのことをお伝えし、保育目標を練りながら子どもたちと過ごしてきました。

はまようちえんは、子どもを「強く育てる」ことを目標にしている幼稚園です。立ちはだかる壁を前にして愚直に「がんばる」ことは格好悪いことではなく、尊いことだと思っています。こんな考えは、もしかすると今の時代のニーズにあっていないのかもしれませんが、私たちは時代のニーズに沿うことが正しいことなのかを問う前に、私たち自身の感覚をたいせつにしたいのです。

今日も年長児がお昼ご飯時にクラスを抜け出して職員室にやってきました。「家に帰りたい。だって家なら好き嫌いができるし、後片付けもしなくていいから」と訴えてきました。子どもは非情なほど正直です。そして今われわれは、恐ろしいほど豊かで困難な子育ての時代に直面していることを思い知らされます。

3月1日。朝の自由あそびの時間に、年長有志たちがメチャビー大会に向けて練習をしていました。先生の鼓舞する声がかれらを少しずつヒートアップさせていきます。春先にくらべて、ずいぶん逞しくなってくれました。メチャビーも最初は全然盛り上がらなかったのですが、今では真剣な眼差しで熱い戦いを見せてくれます。

そんなかれらに、ひとつ賞を与えるとしたらなんだろう、と考えたのですが、すぐに思い当たりました。「ベストチームワーク賞」です。奇しくもそれは、もし全日本幼稚園大賞というものがあったとしたら、私たち『チームはまようちえん』が一番もらいたい賞なんです。教職員スタッフ、保護者、地域がよきチームを組んで、一人ひとりの子どもたちを育むこと。大それた事はできませんが、仲間と協力しあい助け合いながら目標に立ち向かうことには自信があります、得意ですって、言いたいんですよね。今はまだ、その資格は無いと思いますが、いつの日かこの賞がもらえるようにこれからもがんばろうと、子どもたちを見ていて思いましたよ。

友だちと喜怒哀楽を共にし、仲間と協力する経験をしてきた75人の子どもたちが、巣立っていきます。山あり谷ありのこれからの人生を、強くたくましく生きてくれることを願ってやみません。ご卒園おめでとうございます。そしてありがとう。6年後にまたお会いしましょう。