毎日が、こどもの日。

　5月1日。久しぶりに太陽が明るく顔を出すと、園庭はたちまち気温も上昇。幼稚園生活わずか3週間の3歳児たちが、自然と裸足になって、水遊びをはじめました。水を汲んでただ地面に流してできる水たまりの様子を不思議に思ったり、山の上から流してできる水の筋を追いかけたり、あるいは果敢にも友だちに水をかけてみたり。暑い日に水で遊ぶことの快感を、思う存分味わっています。

　幼稚園という場は、子どもの（いや人としての）自然な欲求をあたりまえに発揮できることを保障されている場であってほしいと私たちは願っています。おおげさに言えば、幼児期のこうした遊びは、人としての生命の躍動の器を形成しているのではないかと考えています。幼児期にこの器を大きく広げるか小さくまとめるかで、その後の生き方が確定してしまう、と言ってもよいとさえ思っています。

　生命の躍動の器を小さく作るとはどういうことでしょうか。はまようちえんのコンセプトブックに「魚を欲しがる子に魚を差し出すのではなく、釣り方を教え一緒になって釣ってみる」という環境づくりの例えが載っています。このことは言い換えると、すぐに「正解」を差し出さないということです。自らの行動の間違いを常に訂正され続け、正解のなかでしか生きられない幼少期とは、どんな意味があるのでしょうか。果たして、正解を知らない自分を執拗なほど思い知らされることによって、自分を自ら肯定できる、自分を愛する人になれるのでしょうか。

　また、誰かを傷つけたりケガをさせたり、自分が傷ついたりケガをしたり、ケンカや失敗や不快なことをすべてあらかじめ排除され続けることによって、大きく生命が躍動するような人になれるのでしょうか。他人との葛藤を避け続けた人が他人を思いやれる人になれるのでしょうか。

　私たちは、本当に子どものためになる保育「毎日が子どもの日」である場に、はまようちえんがなるために、保護者の皆さんと共に子育てを考えていきたいと願っています。祝こどもの日。