輪になって話そう。
これまで私たちの学校文化は、
「みんなと同じようにできる」ことが
たいせつなふるまいだと教えてきました。
先生から子どもへ、正しい知識が教授され、
それがどのくらい理解されているか
(あるいは再現されるか)が問われてきました。
社会がめまぐるしく変化し続け、
かつ世の中の問題は複雑さを増してゆきます。
昨日学んだ正解が今日真っ向から覆され、
何を信じて生きてゆけばよいのかが、
本当にわからなくなってしまった。
子どもたちの未来が、
一点の曇もなく希望に満ちたものであると
胸を張って言い切れたら、
どんなに晴れやかな気分でいられるだろう。
2015年、最初の登園日。
3歳児クラスの子どもたちがいつものように
輪になって思い思いに座り、大好きな先生と
冬休みに楽しかったことを語りあっています。
この部屋に突然入った私と来客には目もくれず、
友だちの話しにじっと耳を傾け、
じぶんの話を大げさに発表する。
お客さんに挨拶しないことは「礼儀に反する」
とも言えるでしょう。
しかし私たちは、これこそが
マニュアル通りに教えることのできない
学びであり、「唯一の正解に頼れない」
これからの社会に必要な「生きる力」の小さな芽生え
であると信じています。
このときのその場を支配していた空気を
ひと言で表すなら「信頼」。
その信頼は、仲間に対して「あなたのことをよく知りたい」
という興味関心から育っているのだと思います。
まるい地球上で人が輪になって語りあうことは、
明日を希望と平和で満たすための、
ひとつの本質なのかもしれません。
今年も、子どもたちをよく見て、
じぶんたちの襟を正しながら、本当にたいせつなことを
皆さんと一緒に見つけていきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
|